日本に帰らず子供と2人でフィリピンに残ることを決めた理由。後編

日本に帰らず子供と2人でフィリピンに残ることを決めた理由。後編

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ママぴよインタビュー第3回目の後半です。いよいよ後半は、どうして親子二人だけでセブ島に残ることを決めたのか、その核心に迫ります!

原田豊子さん 専業主婦 息子マナブ君6歳

パパは日本に帰ったけど…2人でセブに残る決断。

———— 今年小学校に入りましたが、ちょうど旦那さんは任期を終えて日本に帰ったじゃないですか。それでも2人だけ残ったっていうのは何か理由があるんですよね?

原田:本人がフィリピンにいたいっていうのもあったけど、多分あの子が日本に順応できないんじゃないかっていうのがありました。生後6カ月からこっちでフィリピン人みたいに暮らしてるので。もう6年です。いつも日本に一時帰国する時は、日本に遊びに行くって感じなんです。自分は日本人だっていう認識はあるのですが、自分が住んでるのはここ(フィリピン)で、ここにいたいっていうのがあって。

 

あとは何より、一番決定的なのは、日本に帰った時に東京とか大都会じゃなくて、地方のしかも市内ではなくてかなりローカルな地域になってしまうので、やっぱりまだ偏見とかそういうのが大きいということが分かっている事もあります。

日本に帰れば絶対公立の小学校通うことになります。その時に『お前フィリピンから来たんだろう』っていわれちゃうのが簡単に想像できて。もちろん、そういった人たちばかりじゃないのはわかっていますが、特に本人がフィリピンに住んでいることを誇りに思っているのに、それを少しでも言われちゃうのは……。

 

だから、好きならここにいればいいじゃん、帰りたくなったら帰ればいいよって。その時、選択できるから。

 

周りにはそんなに深く考えなくてもいいじゃないって言われましたが、ちょうど日本の家の隣に、同じようにしばらくフィリピンに住んでいたけど、帰国後に引きこもりになってしまったお兄ちゃんがいます。その妹も小学校2年生から急に英語環境になって大変だったけど、1年間こっちですごく頑張って、英語もペラペラになってメンタルも強くなったのに、日本に帰ってからお友達の輪に入れなくて大変だったみたいで…。

外で遊ぶ子供たち

それを聞いた時、こっちにいてあんなにのびのびとしてたんだから日本に帰る必要なかったじゃん!ってすごく思ったんです。でも、お母さんは日本に帰らなきゃいけないっていう思いが強かったみたいでした。日本人だから日本に帰らなきゃいけないって。

私はかなりテキトーなので(笑)こんな感じで子育てもテキトーにやってるのを見て、『そういう風に私も楽しめれば良かったのかもしれない』って言われたこともあったぐらい。

 

———— 性格的なこともあるかもしれないですね。

原田:日本人だと多いかもしれないですね。日本人はそれが普通だと思います。だから学校とかで団体行動がきっちり出来るのはそういうところかもしれないですね。だから逆に、それに”はまれなかった”時、上手に順応できるような環境だったらいいですけど、やらなきゃだめだよって言われたらそれは厳しいので。そんなことであの子の人生台無しにしたくないなと思ってしまいます。

親戚中に反対されながらも…

———— 違う選択肢がないっていうのが苦しむ原因になってしまったりしますよね。

原田:なんだっていいんだよっていうのが、分かってほしかったっていうのがあります。だけど、家族というか親戚一同はっきり言って誰も賛同してくれてないです(笑)

旦那の方の親戚には、『どうしてフィリピンなんだ!』『何でアメリカじゃだめなんだ』って言われますね。

 

———— あああ~わかります。典型的な日本人の考え方ですね(笑)

原田:そう!だったら一回ここ(セブ島)来てよ!って言っても、嫌だって。そんな所にはいかないって言われてしまいます。

 

———— 日本人ですね~。まあ来たとしても理解してくれる可能性は少ないですね。ほら!やっぱりフィリピンじゃんってなりそう。

原田:それでも一応、『来てくださいよ。そんなに悪いところじゃないですよ』って、マナブがどれだけキラキラして学校にいってるかって見せたら変わるかなって期待しているんですが、そもそも来ないので……。

 

私は特に、そうやってすごい楽しそうにしている息子を見てるから、日本に帰ってシュンてなってしまったらと考えてしまいます……。たまに日本に遊びに帰っただけですごく窮屈そうにしているのもこっちもわかるし。

こっちだったら、子供が騒いでてもみんなニコニコしていますよね?子供なんて騒ぐものだから良いんだよ~ってスタンスでいてくれるし。だけど日本で電車とか乗り物でちょっとでもデカい声で話してたら、睨まれちゃう……。あれは子供も感じちゃいますね。肌で感じちゃう。

食べ物もおいしい、飲み物もおいしい、なんでも楽しいし、ウルトラマンもある、温泉も気持ちいいね。だけどセブに帰ろう。

多分、彼の中であまりにも窮屈なんだろうと思います。口に出しては言わないけど、これはしちゃいけないんだなとか空気を読んでおとなしくしている姿がかわいそうだったりします。

日本では、子供たちが遊んでいるところに入っていくことができないんです。ノリが違い過ぎるというか。例えばゲームをやっているところを後ろから覗いたら隠されちゃったことがあって(笑)

フィリピンだとみんな見せるじゃないですか。一緒に見よう、やろうよ!じゃあ次僕の番ねとか。そんなことが知らない子同士でも当たり前なのに、日本ではゲームを背中に隠されちゃったので……。

 

———— それでショックを受けちゃったんですね。日本の子供たちは他人とあんまり絡まないのかな…

原田:ノリが違うんでしょうね。息子はいつでもウエルカムなんだけど上手に絡めなくて。こっちで公園とかいっても『僕マナブ!一緒にあそぼう』とかこっちから行くんだけど、日本でやると引かれちゃったりして。

それに日本だと、みんな公園でDSとかしてますね(笑)。みんなブランコに座ってゲームしてる。それを見に行くと隠されちゃう。

 

———— 子供同士でもそうなんだ。閉鎖的なんですね。大人だけじゃなくて子供相手でも知らない人とは話しちゃだめって教わってるのかな?

原田:そうすると心が折れちゃうじゃないですか(笑) 特に子供同士でそれは寂しいですよね。例えば公園にお母さんがいて、私がお母さんに話しかけたりしてそれを見ると子供がちょっと話したりするのはありますけどね。でもお母さんたちも基本、あんまり知らない人だと話さない雰囲気を醸し出してるように感じます。

そういうのを経験しているから、あのノリで日本に帰ったらたぶん無理なんだろうなって思ってしまいます…。

日本の公園

———— コミュニティ文化なのかな。子供なんて垣根ないと思うんですが……。

原田:公園デビューとかいうのも、親がそういうものを作っているから子供もそうなんだろうなって思います。あの子と遊んじゃだめとか親が言って色んなものに優先順位を付けてるからかなとは思います。
日曜の公園とかいっぱい子供いるのに、全然絡みがないです。もっと年齢が小さいと大丈夫なのかな…?

もちろん、ウエルカムな人もいるのかもしれないけど私はまだ出会ったことがなくて。

 

だから余計に閉鎖的な田舎は絶対ダメだなと思ってしまいます。例えば、私たちが帰るのが東京とか都会の地域で、ハーフの子だって外国人の子だっていっぱいいる環境だったらいいのですが、地方の田舎なんです。そこにも工場とかあるので、フィリピン人も多くいるんですが実際は差別的な感じで分かれてしまってるって聞きます。

だからそういうところに行くのは難しいかなと。私ももともと地元ではなくて、結婚してそこに行ったので、余計にひしひしと伝わるものがあります。閉鎖的な感じが……。

好きな時にやりたいことをやろう。自分が輝ける場所で。

 

———— 子供の性格と自分の経験、環境面から総合してフィリピンに残るってことを選んだんですね。
長期スパンで、マナブくん次第だけど高校までこっちにいて進学、就職の段階で何がしたいかってことですね。

原田:別に他の国に行きたいなら行けばいいし、日本に戻りたいならそうすればいいし、もちろんここにいてもいい。なんでも本人がやりたいようにさせてあげたいです。今もし1回帰っても、日本での環境を考えたらきっと馴染めなくてこっちに戻ってくることになるだろうし。それだったらここにいたほうがいいかなと思います。

マナブ君とママ

そして、小学校が終わるタイミングで、本当に日本に帰らなきゃいけなくなった時に、じゃあ日本の普通の学校には行けないかもしれないけど、インターナショナルスクールとか探して行くのも出来なくはないし、他にも都会の学校に入れたり。そういうことも視野にいれればいいだけのことなので。

とりあえず、英語を完璧にすればどこでも行けると思っています。日本人はどこにいっても英語が出来ないから大変だけど、フィリピン人は英語ができるからどこにでもいるし、そういう風になったら潰しも効く。

 

日本に帰ったとしても、海外に住んでた経験があって英語が堪能ってなったら、本人次第だけど何かできるかもしれないし。ましてや日本は人口もどんどん減っているし、これで移民を受け入れることになったらそれこそ英語が必要になると思います。もし、そうならなかったとしたら日本自体が衰退していくだろうし。

だから、そうやって色んなことを考えた時に、日本にいるよりは……と思います。そしてなにより、私はあの子がしゅんとなってしまうのが一番嫌なんです。

 

———— のびのびできる環境が今ここにあるなら、そこを使おうと。将来的にどうなるかはそこで
本人が考える事ですね。

原田:本人次第、仕事次第。この国の安全もどうなるかわからないけど、そんなのは日本も一緒だし、いつどこでテロや災害が起こるか誰もわかりません。例えば、治安が悪くなったならその時に考えます。

別に、ここにいるから二度と日本には帰らないというわけではなくて。私は日本人だし、日本の方が絶対楽なので。でも、そうじゃなくても別にいっかなみたいな。

インタビューの感想

ママぴよインタビュー

原田さんは普段から交流のあるママですが、どんな時でも息子のまーくんのことを最優先に考えて人生を捧げていると言っても過言ではありません。そんなママなのでまーくんのやりたいことは何なのか、進みたい方向はどこなのかというのをきちんと考えて、セブに残るという決断をしたんだなと思いました。

 

日本とセブの良い点悪い点を総合してセブを選ぶというママもいます。海外での生活は、言い尽くせないほど大変なことも多いけどその親子でのセブ生活がまーくんの人生に大きな影響を与えることは確かだなと。
そして原田さんを見ていていつも思うのはフィリピン人に対するリスペクトとどんな状況でもポジティブに楽しむという考え方です。これがセブ生活を楽しくする上でとても大切なことだろうなと共感しています。